10/10台湾 国慶節祝辞

台北駐日経済文化代表処代表 許世楷

皆様、今日はわが国の記念日のお祝いにご出席下さり、ありがとうございました。私の挨拶は、すでに印刷してお配りしていますが、日にちもたっていますので、ここでは別の形でお話させて頂きます。

ある台湾の雑誌が長年台湾人の外国に関する世論調査をおこなっています。それにはあなたが最も敬服している国はどこですか?あなたが最も旅行に行きたい国はどこですか?移民したいとすれば、あなたが最も行きたい国はどこですか?という三項目の質問が含まれています。これまでいつも第一位は米国でしたが、近年日本が第二位にのぼってきました。しかし今年は日本が第一位となり、米国が二位となって逆転いたしました。

これには去年日本が台湾の観光客にノービザの措置をとったことが大きく作用しています。これは便利になったということだけでなく、十二年来台湾は日本の観光客にノービザ措置をとっていたので、平等互恵の問題でもあり、台湾人は日本が尊重してくれた、お返しをしてくれたと感じたからだと思います。
 また去年日米安全保障協議会2プラス2の共同声明で、日本は中国が武力で台湾を併合することに反対を表明しました。台湾人は、日本は台湾の安全について気使かってくれている、友達だなと感銘しています。

台湾が日本と親しいのは、基礎として両国に特別な歴史的、地理的関係があるからだけでなく、九十年代に台湾が民主化してからは、加えて、自由、民主という価値観および制度が共通するようになったからです。自由民主の国だからお互いに安心してノービザ措置が取れる。また自由民主の国を、一党独裁の国に併合させるわけには行かないというわけです。
 中国人のインターネットによる世論調査で、67%の人が再び生まれるとしたら中国人に生まれたくないと答えています。理由としては幸福な人生が送れない、あるいは人間としての尊厳がないということであります。

現在台湾で一部の人たちが陳水扁総統罷免座り込み運動を行っています。それを見て対岸の中国人は、私たちも台湾のような自由がほしいと羨ましがっています。

また座り込みの人たちは自らを中国の天安門事件の民主化運動になぞらえていますが、事件主役の一人であった王丹さんは、その時自分たちは自由民主のない一党独裁政治に対して民主化を主張したのであり、今の座り込みの人たちは自由民主政治の下で、制度から外れた手段によって民主政治を破壊しようとしていると批判しています。

実際総統罷免案はすでに一度立法院で提案され、否決されました。今再度提案され、この13日に表決があるのですが、三分の二の多数を得て通る見込みがないことはわかっています。総統罷免案が通らないなら、内閣不信任案で行政院長を倒せとと八つ当たりしています。それがだめなら座り込みで社会を不安に陥れて、陳水扁総統を倒せと強要しています。少し早いが二〇〇八年の総統選挙まで待ちきれず、政権交代を叫び、すでに総統選挙運動に突入しているわけであります。自由民主政治が成熟するまでには紆余曲折がありますが、台湾は座り込みの最中でも総統は国外訪問をして無事に帰ってきていますし、またデモで死傷者が出てもいません。私は台湾の自由民主政治に自信を持っています。

自由民主は世界史の流れの主流であります。現在中国は台湾に比べて強大に見えるかもしれません。しかし台湾はすでに民主化し、中国はまだ選挙もない一党独裁国家で、いずれは民主化の荒波に見舞われます。

今日ここには多くの華僑も見えています。ここに見えているということは、歴史の主流の側を選択した同志でありましょう。賢明な選択だと思います。日本社会における生活もスムースになりましょう。

今日ここにいる私たちは、自由民主の価値観を共有するもので、流れの同じ側に立つ同志です。ともに手を携え、台湾、日本友好のために、自由民主のために努力することをお願いします。

《2006年10月5日、双十国慶節祝賀パーティーにおいて》
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